FXの
「しくみ」
を把握しておきましょう。
こんなテーマに関する記事です。
FXの意味合いや、実際に取引する際の流れについて、ポイントを絞って、わかりやすく説明しています。
FXの意味合いとあわせて、
取り引きのしくみ
について、そのポイントを説明しています。
取り引きのしくみを把握することで、FX会社選びの参考にもなります。
FXとは?
FXとは、外国為替(Foreign exchange)のことを意味します。
つまり、
通貨の交換
です。
為替というのは、
「現金の代わりに、手形・小切手・証書などで決済をすませる方法」
のことを言います。
また、その決裁の際には、
通貨の交換比率である「為替レート」
に沿って取り引きすることになります。
この為替レートは、常に変動します。
FXのトレードでは、
売買時の「為替レート」の変動の差
によって、利益となったり、あるいは、損失を被ったりします。
FXには、2つの需要がある
FX(外国為替)には、
実需
と、
投機
の2つの需要があります。
実需
「実需」とは、輸入業者や輸出業者が、その代金を決裁する為に、外国為替を用いるケースのことを言います。
例えば、自動車メーカーなどの輸出企業は、代金で受取るドルを日本円に両替します。ですので、通常、ドル売り円買いを行います。
逆に、原材料などを輸入する企業の場合は、日本円を米ドルに変えて、海外からの仕入れを行うことになります。
このような、実際の企業活動において外国為替を使うケースは、
実需
での利用となります。
「実需筋」といった呼び方をします。
投機
投機目的の場合は、単に、
利ざやを稼ぐことを目的
にしたFXの取り引きとなります。
そのプレイヤーは
「金融機関」「ファンド」「個人投資家」
などになります。
FXにおける相場変動をチャンスと捉えて、取り引きをすることになります。
ただ、相場変動がチャンスではなく、ピンチになる可能性も多々あり、その場合、
損失
につながることになります。
「投機筋」といった呼び方をします。
FXにおける取り引きの流れ
個人投資家がFXトレードする際には、
FX会社でのトレード
ということになります。
その際、FX会社によって、
インターバンク市場(銀行間取引市場)で取引のある会社への発注方法の形態
によって、
2つのパターン
にわかれます。
実際の外国為替の取引は、実務上、
インターバンク市場
という、限られた銀行間での市場で取引がなされています。
また、為替レートも、インターバンク市場での数値を参考にしてます。
ちょっとわかりにくいのですが、例えるなら、
・インターバンク市場;卸しの会社
・FX会社;小売りの会社
となります。
また、インターバンク市場の会社への発注を、「カバー取引」といいます。
これらの形態を把握しておくことで、
FX会社を選ぶ際
の参考にもなります。
NDD方式(A-book)
NDDとは、
No Dealing Desk(ノー・ディーリング・デスク)
の略です。
中間にディーラーが介在せずに、そのままインターバンク市場にカバー取引をします。
NDD方式(A-book処理)では、
FX会社は顧客から受けた注文を、そのままカバー先へ流す形態
です。
この形態の場合、自動的にインターバンクへカバーされるので、
・取引の透明性が高い
・取引上の制限が無い場合が多い
・約定しやすい
といったメリットがあります。
その反面、
・スプレッド(買値と売値の差)が広い場合がある
というデメリットがあります。
DD方式(B−book)
DDとは、
Dealing Desk(ディーリング・デスク)
の略です。
この場合、顧客からの取引に対して、
インターバンク市場へのカバー取引の有無を、ディーラーが判断する
ことになります。
つまり、
顧客から受けた注文を、一旦、FX会社が受け付ける(自ら約定する)
ということを行います。(呑み取引)
※ちなみに、FXにおける「呑み取引(のみとりひき)」は、違法ではありません。
その後、カバー先へ流すかどうかはディーラーが判断します。
その場合、
顧客の利益が、FX会社の損失
となり、
顧客の損失が、FX会社の利益
ということになります。
ただ、実際は、FX会社の損失リスクを減らす為に、
他の顧客の反対注文との相殺
や、
一部の注文をインターバンク市場へ流す
といった対応をします。
※インターバンクに流す割合を、「カバー率」といいます。
DD方式の場合のメリットとしては、
・スプレッドが狭い場合が多い
という点があります。
逆に、
・透明性が低い
・取引に制限がかかるケースがある
というデメリットもあります。
国内のFX会社について
では、国内のFX会社は、どちらの方式が多いのでしょうか。
実際には、
DD方式
が圧倒的に多いです。
DD方式を採用の主な国内FX会社
SBI FXトレード
GMOクリック証券
DMM.com証券
FXブロードネット
トレイダーズ証券
セントラル短資FX
外為どっとコム
外為オンライン
松井証券
楽天証券wikifx japan より引用 https://www.wikifx.jp/fx-interbank/
NDD方式を採用の国内FX会社
ヒロセ通商
OANDA
外為ファイネスト
アヴァトレード・ジャパン
フィリップ証券
ただ、DD方式の会社の場合でも、
インターバンクへのカバー率
に関しては、かなり差があります。
インターバンクへのカバー率が高いほうが、FX会社のリスクが軽減されますので、そのほうが望ましいと言えます。
国内のFX会社のカバー率は、開示が義務付けされています。
(金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第28号の2)
「未カバー率」での表示になりますが、例えば、下記のような数値になります(2024年1月時点)。
FX会社 | 未カバー率 |
---|---|
GMOクリック証券 | 10.8% |
みんなのFX | 7.6% |
外為ドットコム | 1% |
LightFX | 7.6% |
DMMFX | 52% |
注意点
海外のFX会社のほとんどは、
DD方式
です。
しかも、海外のFX会社は、国内のFX会社と違って、
カバー率の開示義務がありません
ので、取引の実体が不透明です。
また、会社によっては、出金に関するトラブルもあります。
FXをはじめるにあたって、海外のFX会社は、リスクが高いので避けるべきと言えます。
さいごに
FXトレードをはじめるにあたっては、そのしくみを知ることが、
FX会社の選び方
にも関係してきます。
国内のFX会社の場合、ほとんどが、
DD方式
です。
その場合、上記にも記載したような
インターバンクへのカバー率
で、その会社の姿勢も確認することができます。
ちなみに、FX会社を選ぶ際に、
スプレッドの狭さ
が判断基準のひとつになります。
しかしながら、実際、
スプレッドが狭くでも、約定力が低い会社
もあります。
ですので、スプレッドだけでなく、複数の視点でFX会社を選ぶことが大切になります。
以上、「FXのしくみを知る」についてでした。